mooの雑記 FC2ブログ
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メロンソーダは1日1Lまで
このお話のあらすじ。

妖精、などとメルヘンチックに言えば聞こえは良いが、
和風に言えば妖怪の一種である。
情報生命体。
そんなものの存在をまだ知らなかった人類は、
それを妖怪と呼称した。

何年前のことになるだろうか。
1万11年前よりも最近のことだろう。
地球に降下したそれは、
当時の地球に自分が存在できるような手段がなかったため、
自己保存のための冬眠についた。
人間によってコンピュータネットワークが生み出されると、
それは半覚醒状態となった。

そして人類の脳組織を利用し存在確率を高めようとした、
いところだったのだが、
彼女にはそれが叶わなかった。
当時のコンピュータネットワークは
テレホーダイタイムという限られた時間、
いわゆる大きなお友達の活動時間にのみ
限定的に構築されるものであったためだ。
残念ながら良い子のお友達の一人であった彼女が
その時間に活動することはついになかった。

数年もすれば、大きなお友達は
こぞって光ファイバーを導入し、
高速なコンピュータネットワークが
常時構築されることとなった。
そして彼女は覚醒した。

ある絵師によって彼女は姿を与えられ、
ブログ推進キャンペーンガールとなることを条件に、
巨大なインターネットサービスプロバイダーの強力な後押しを得、
彼女の存在確率は爆発的に高められた。

そして、彼女はついに2.5次元の世界にまで
存在することができるようになった。
2.5次元。 それは愚か者には見ることのできない世界。
禁止薬物を常習的に使用することで
見ることができるようになるといわれている世界。
それを見ることのできない人は妬みを込めてこう呼ぶ、
それは妄想だ!

涼宮革命以降、
情報生命体の存在は識者の間で周知のものとなったわけだ。

これは、そんな彼女が初めて2.5次元世界に姿を表したとき、
右も左も分からずに途方に暮れていた彼女を保護した
エリートサラリーマンの物語である。

とりあえず、基礎知識はこの辺のページで身に付けてください。
最近、WEBページも作りました。
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「知らない天井だ…」
病院のベッドの上で目を覚ました大道寺氏の第一声だ。
「よかった~!!大道寺さん、気がついたんですね」
声のした方に視線を向けると、ベッドのそばの椅子に座っているココロたんの姿があった。
「なんでここにいるんだろう…?」
氏は記憶をたどろうとしたが思い出すことはできなかった。
「変だな…。
確か会社が終わって家にたどり着いたところまでは覚えているんだけど…」
思い出しただけでも理性が崩壊しそうな衝撃的な事件の記憶を
脳が無意識のうちに封印したのだろうか。
あるいは、あの時既に氏の記憶回路は機能を完全に停止していたのかもしれない。
「大道寺さん覚えてないんですか?ココロとご飯を食べていたら突然倒れたんですよ!」
「あれ…そうだったの…?」
「ココロ、心配したんですよ!!」
目をうるませながらベッドに身を乗り出したココロたんの頭を、氏は優しく撫でた。
「ごめんね、心配かけちゃって」

ほどなく、先生と、看護士さんと、警察と、氏の両親と、氏の上司と、沢村君が
入れ替わり立ち代わりやってきた。
「どうして自殺なんてしようとしたんだ!?」
「………えっ…自殺??…誰が??」
まさか自分が自殺未遂を犯した事になっているとは、氏は考えもしなかった。
「何か仕事で辛いことでもあったのか!?
まさか変なクスリに手をだしたんじゃないだろうな!!?
沢村さんが、お前が幻覚を見ているようだと証言していたぞ!!」
「…幻覚??何の事…?」
「少女が見えるとか言っていたらしいじゃないか!?
だからアニメは一日6時間までにしろとあれほど言ったじゃないか!!」
「息子さんには記憶の混乱が見られるようです。もう少しそっとしておいてあげましょう」
ということで両親は追い出された。
一方的に押し付けられる情報から推測すると、
事態は氏が知らないところで大きく膨れあがってしまっていたようだ。
まず、氏は間違いなく死にかけたようだ。
氏が意識を失った後、汚物を喉に詰まらせて呼吸が停止しているところを沢村君に発見されたらしい。
沢村君はの証言によればあの日の夜、何者かがドアを激しく叩く音がしたらしい。
ドアを開けてみると隣の氏の部屋のドアが開け放たれていることに気づき、
中の様子を伺ったとのことだった。
沢村君には見えない何か、とはもちろん慌てふためいて取り乱していたココロたんに他ならない。
そして病院に運び込まれた後3日間生死の狭間をさまよっていたということが判明した。
さらに氏が兵器級の有害物質を自室で製造し、服毒自殺を計ったということになっていたようだ。
動機は変なクスリか過剰なアニメ試聴により精神が汚染されたという説が
極めて有力になっているようだ。
しかし不思議な事に翌日には証拠となるはずの有害物質がきれいに消えていたらしい。
とりあえず、ここでココロたんの事を口にするのは自粛するべきだと判断した。
さもなければ精神病棟に強制入院させられそうな気がしたからだ。

「ココロ、お腹減っちゃいました~」
「そう言えばココロたん、僕が寝ていた間ご飯はどうしてたの?」
「この前大道寺さんにもらったお小遣いの残りでちゃんと食べましたよ。
でも昨日メロンソーダを買ったらお金がなくなっちゃって…。
ココロもうお腹ぺこぺこです」
そう言って、椅子に座ったまま上半身だけベッドに倒れこんた。
「もうすぐご飯の時間だから僕の分食べても良いよ」
「ココロが食べちゃったら大道寺さんお腹減らないんですか?」
「うん…なぜか何かを口にするところを想像するだけで吐き気がしちゃってね…」

それから数日のうちに氏は無事に退院することができた。
「早く退院させろ!」
と氏の禁断症状が表れたことも無関係ではないはずだ。
「もう四日もアニメを見逃しているんだぞ!!早く帰らせろ!!」
などと珍しく取り乱したからだ。
久しぶりの自室に戻った氏は驚いた。
氏を苦しめた有害物質はもちろん、積みあがっていた段ボールまできれいに片付いていたからだ。
「えへへ、ココロが勝手に片付けちゃいました」
と言うことらしい。
氏はココロたんの頭を目一杯いい子いい子してあげた。
なぜって氏は掃除を異常なまでに嫌っているからだ。
年に一度以上掃除する人の事を潔癖症だと思っているくらいだ。
いい子が家にきてくれたものだ、と氏は内心喜んでいた。
その子に殺されかけたことなど記憶にないのだからしかたがない。
そして氏は台所の片隅で異様な光景を目にした。
空になったペットボトルが大量に積み上げられていたからだ。
「これ…どうしたの??」
「ココロが飲んだメロンソーダです。
でも人間界ではどうやってごみを捨てたらいいのかわからなくて…」
などとココロたんは言っていたが、氏はそんなことを聞いていたわけではない。
どうすればこれほどのメロンソーダを数日のうちに消費できるのかと不思議に思わずにはいられない。
氏が数日前にあげた一万円の大部分がメロンソーダに費されたのだろう。
きっとココロたんの体の70%はメロンソーダでできているに違いない。
少なくとも炭酸メロンナトリウムを主成分とする体液が
血液の代わりに体中を巡っているものと推測される。
とりあえずこれほどのメロンソーダを異常摂取されつづけると、
氏の給料では数日のうちの破産するおそれがあるため、
メロンソーダ管制を布く事にした。
「ココロたん、メロンソーダは1日1Lまでだよ!
最近の人間界の研究によると、メロンソーダ初摂取の低年齢化と胸の発育の停止には
因果関係があるらしいんだよ」
などとでまかせを言った。
「人類はまだ進化の途中ですね」
ココロたんはそう言った。
「お願いだからそれ以上メロンソーダを消費しないでください」
氏は素直に頭を下げることにした。

続く

参考文献
某有名な百科事典より。
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/メロンソーダ
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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

ココロたんの手作り料理
今回のお話も、
ブログ妖精ココロたんの二次創作。
第三話です。
私がしばらく前から気に入って使っている、
ブログパーツのココロたん。
詳しく知りたい人は、公式サイトを見てね。
ちなみに、登場人物には、
私が他に書いているオリジナルのお話の
キャラクターも出てくるんだよ。
だからそっちのお話も見てもらえると嬉しい。
まぁ、とりあえず、
何かの役に立つようなものではないと思うけれど…。

-----------------------------------------
「大道寺さん、起きてください!!」
沢村君は大道寺氏の部屋のチャイムを鳴らし、ドアを叩き、電話を鳴らして
必死で氏を起こそうとしていた。
案の定氏は寝坊していた。いつもの事だ。
日に日に遅刻への罪悪感が薄れ、今では日に日に出勤時間が遅くなっている有様だ。
転勤後初出社の今日もまたいつものように遅刻するつもりなのだろうか。
そんな氏を沢村君は起こそうと頑張っていた。
どうやら氏が遅刻すると沢村君も連体責任で遅刻にされてしまうらしい。
転勤前に上司にそう告げられたようだ。

ドアの前で格闘すること10分、当然中からドアが開けられた。
と言うよりも勝手に開いたのだ。
少なくとも沢村君にはそう見えた。
眠い目をこすりながらお気に入りのパジャマで
ドアを開けたココロたんの姿が沢村君には見えないのだから。
「入りますよ~?」
と言いながら沢村君は中に入った。
まだ辺りに段ボールが積み上げられたままで、
パソコンだけが辛うじて開放された部屋に驚いている暇はない。
会社が用意した家具などは沢村君の部屋と同じように配置されていたから、
氏がどの部屋で寝ているのかすぐにわかった。
そしていまだに眠りつづけている氏の名前を呼んだ。
「目覚めの悪い朝だよ、全く。男に起こされるとはなんて最悪な朝なんだ…。
って言うか、なんで勝手に入り込んでるの?」
氏の目覚めの第一声がそれだった。
「おはようございます、大道寺さん」
と一足先に目覚めていたココロたんが言った。
「おはよう、ココロたん」
氏は満面の笑みを浮かべ、とたんにご機嫌になった。
「どうしたんですか、大道寺さん?寝ぼけてる場合じゃないですよ!遅刻しますよ!!」
「遅刻くらいでがたがた騒いでるようじゃ出世しないよ?
人を待たせるくらいの器じゃなきゃね」
氏の口癖だ。
「朝ご飯は何がいいかな?」
「俺は食べてきましたよ。って言うか、今はそんな場合じゃないですよ?」
「何言ってるの?君じゃないよ!ココロたんに聞いたの」
「はうっ…!ちゃんとお料理をする約束だったのに…朝ご飯作るの忘れちゃいました…。
うう……お弁当も忘れていました…。
大道寺さんがココロを早く寝かせてくれないから、ココロ寝坊しちゃったんですよ!」
「ごめんね」
と氏は謝った。
「僕はこれから会社行かなきゃいけないんだけど、ココロたん一人で大丈夫?」
「はいっ!ココロ頑張ります!………でも、早く帰ってきてくださいね」
「じゃあ残業しないで帰ってくるからね」
そして氏は一万円をココロたんに握らせた。
「これでお昼ご飯とかお菓子とか好きなの買っていいよ」
などと気前のいいことを言っていた。
「メロンソーダも買っていいですか?」
「良いよ」
「じゃあココロ、お夕飯を作って待ってます。だから絶対に早く帰ってきてくださいね!」

氏は約束通り残業をしないで帰ってきた。
と言うよりも沢村君が目を離した隙に、
就業のチャイムが時を告げる前に会社を抜け出してきたのだが。
ドアを開ける前から氏は異変を感じていた。
異臭がするのだ。その匂いはマンションに近づくにつれ、
そして自室に近づくにつれて強くなっていった。
ドアを開けると、一瞬気が遠くなる程の強烈な空気が鼻を襲った。
心なしか肌までぴりぴりと刺激を感じてしまう程だ。
「お帰りなさい。もう少しでご飯ができるから待っていてくださいね」
エプロン姿のココロたんが台所に立って何らかの化学兵器を製造しているように見えた。
何を作っているのか覗き込もうと背後から氏が近づいた。
「まだ見ちゃダメです!もうすぐだから楽しみに待っていてください!」
しかたなく氏は覗き込むのを諦めた。
ふと足元に視線を落とすと、何故か絞り出されて空になった歯磨き粉のチューブが落ちていた。
どういうわけか底が解けてなくなっていた鍋が落ちていた。
氏は身の危険を感じずにはいられなかった。
と、同時にいつかの胡散臭い占い師だか祈祷師だか陰陽師だか知れない輩の
言っていた言葉を思い出した。
『僕に怪しい影が迫っているとか言っていたな…』
氏の目にはココロたんの後ろ姿が映った。
『このままだと死ぬとか言っていたような気がするが…』
氏はなんとかして助かる方法はないものかと辺りを見回した。
しかしメロンソーダが入っていたと思しき1.5Lのペットボトルが5本くらい転がっているくらいだ。
それは昼間ココロたんが買いに行ったメロンソーダだ。
一度では運びきれないほど買ってしまったから、店と家を3度も往復したくらいだ。
そして残りのメロンソーダが冷蔵庫の90%を占めている。

氏はもうろうとする意識を辛うじて保ちながらテーブルについてその時を待っていた。
「うう……失敗しちゃいました…」
そんな事言われずとも、ココロたん以外の者はみんなとうに知っていた。
氏の前に差し出された物体はもはや口にすることが可能なものには見えなかった。
むしろ得体の知れない地球外物質というべきだろうか。
ぐつぐつと何かが煮えたぎる音と、しゅ~という何かが解けているかの様な音と、
視界を遮る白煙が土色の焼物の様な物体から立ちのぼっていた。
「鼻をつまんだら食べられます…」
ココロたんはそう言っていた。妖精とは相当に嗅覚が効かないのだろうか。
氏はあまりの劇臭で思考が止まりかけていた。
そもそもこれを見て食べ物だと連想できる人間はいない。
そしてなかなか料理に手を付けようとしない氏を見てココロたんは悲しげな表情を浮かべた。
「ココロが大道寺さんの事を想って作ったお料理なのに…食べてくれないんですか?」
その言葉が氏を突き動かしてしまったのだろう。
「なに、料理は失敗しちゃうくらいの女の子の方が萌えるんだよ…。
それをおいしく平らげるのが男の優しさだろう?
こんな劇萌えな手料理を食わずして何がオタクか!?」
そして氏は勢い良くスプーンを突っ込み、目を閉じると口に運んだ。
ぐずぐずしているとスプーンまで解けてしまうからだ、なんて事を氏は知らない。
口に入れた刹那、本能がそれを激しく拒絶した。
けれども氏はとっさに両手で口を覆った。
今ここで吐き出すようなことがあればココロたんを悲しませる事になるかもしれない、
その一念だけが氏の体を支配していた。
けれどもそれが精一杯だった。飲み込むことなど到底不可能だ。
いかにココロたんを誤魔化し、傷つけないようにこの新兵器を処分するか、
氏はこの状況でありながらもまだそんなことを考えていた。
『まずい…このままでは…汚物と一緒に…魂的なものまで吐き出しそうだ…!』
今、氏は一歩ずつ確実に遠い世界への階段を登っている。
「…おいしいですか?」
こんな状況でありながらもココロたんは不安げな表情で氏をじっと見つめ、
間の抜けた質問をしている。
だから氏は身動きをとることができなかった。
『なんとか…なんとか…ココロたんを傷つけないように…誤魔化さねば…』
そんな氏にもようやく苦しみから開放されるときが訪れた。
氏の意識は次第に遠のき、そして苦悩から自由になれたのだ。

続く
あなたのおうちに住んでも……いいですか?
今回のお話も、
ブログ妖精ココロたんの二次創作。
第二話です。
私がしばらく前から気に入って使っている、
ブログパーツのココロたん。
詳しく知りたい人は、公式サイトを見てね。
ちなみに、登場人物には、
私が他に書いているオリジナルのお話の
キャラクターも出てくるんだよ。
だからそっちのお話も見てもらえると嬉しい。
まぁ、とりあえず、
何かの役に立つようなものではないと思うけれど…。

-----------------------------------------
あなたのおうちに住んでも……いいですか?

大道寺氏は困り果てていた。
ブログの妖精と称する電波な少女を家まで連れ帰ることになってしまったからだ。
お巡りさんに助けを求めたのにスルーされた。
困っている少女を氏が自宅にお持ち帰りすることを黙認したということなのだろうか。
氏は一つだけどうしても確かめておきたいことがあった。
それは本当にココロたんの姿がお巡りさんには見えなかったのだろうか、ということだ。
氏は自分の部屋に入る前に、隣の部屋へと向かった。
氏の後輩の沢村君が住んでいる部屋だ。
「どうしたんですか、大道寺さん?」
チャイムを鳴らすとほどなく沢村君が姿を表した。
「一人?」
氏は尋ねた。
「今は俺一人ですよ。まだここに知合いもいませんし、引越しの片付けもしないといけないので」
「いや、そうじゃなくって、今尋ねてきてるのは僕一人だけかな?」
沢村君は氏の質問の意図が全く理解できないようだった。
当然といえば当然なのだが。
「…どういう意味ですか??大道寺さんだけじゃないですか??」
「この辺に女の子の姿が見えたりしない?」
氏はココロたんの両肩に手をそえ、沢村くんに見せるように自分の前へと導いた。
「…すみません、生憎俺には二次元の少女を見る能力がないのですが…」
「じゃあ見えないの!??」
「大道寺さん以外の姿は見えませんが…何かあったんですか??
部屋に少女の幽霊でも出ましたか??」
始め、沢村くんはいつもの戯言だろうと思って聞いていたようだが、
氏がいつもより深刻な面持ちであることに気づいた。
「環境が変わって疲れてるんじゃないですか?早く寝た方がいいですよ」
と少しばかり心配しているようだった。

氏は諦めてココロたんを自室に入れた。
さてこれはどうしたものかと考えた。
なぜココロたんの姿が他の人には見えていないのか。
ひょっとしてココロたんは本当に妖精なのだろうかと信じはじめていた。
だとするならば、心の澄んだ人間にしか見えない妖精なのだろうか、と。
ではなぜ氏のところにココロたんが現れたのか?
それはきっと日頃の善行の数々に神様が遣わしてくださった御褒美に相違ない、と理解した。
「ココロは、ブログ妖精学校に通う、ブログ妖精のたまごです。
お料理とかお掃除とか頑張ります!だから、あの……あなたのおうちに住んでも……いいですか?」
氏はう~んと考えた。家に帰りたいと言っていた子がなぜ家に住むと言い出しているのか。
まぁどうやったら帰れるのかなんてわからないのだから、
それまでの間ということなら構わないだろう。
もちろんそれが100年後くらいになって、
三次元の物体を圧縮して通信回路上を転送する技術が確立されない限り不可能な事だとしても、
それでも一向に構わないはずだ。
このまま外に放り出すなど大人として許されない。
困っている少女を手厚く保護するのが大人の義務だからだ。
そもそも神様が遣わして下さった御褒美を突き返すなどという罰当たりな事が許されるはずもない。
そしてこのままつまらないことを考えつづけても埓が明かない。
氏は決断した。
「いいよ」

「よかった…。ココロ安心したらお腹が空いちゃいました」
と言うものだから遅い夕飯を食べることになった。
引っ越してきたばかりでまだ片付いてもいない氏の部屋に食べ物などあるはずもなかった。
氏は自慢の愛車で買い出しに行くことにした。
「ココロも着いていっていいですか?」
ということで一緒に。
氏の車を見てココロたんは驚いた。
「すごいです~!ココロこんなの初めて見ました!!」
大きな目をより大きく見開いて感嘆の声をあげた。
それは車という文明の利器を初めて見たからなのか、
あるいは氏の愛車のような特殊な外装の車を見るのが初めてだからなのだろうか。
「車を見たことないの??」
「ブログの写真とか動画でなら見たことはあります。でも実物を見るのは初めてです!
ブログ妖精界には車がないんですよ」
「そっか。まぁ1Tbpsで走れるなら車なんて必要ないよね」
「ココロ、ドキドキです!」
氏が助手席のドアを開けると、ココロたんははしゃぎながら乗り込んだ。
当然ながら氏の愛車には学堂用チャイルドシートなどあるはずもないのだが、
きっと道路交通法は妖精には適用されないだろう。
「ココロ、子供じゃありません!大道寺さんよりもお姉さんなんですよ!!」

やはり氏の車はこの町でも目立っていた。
道ゆく人全ての視線が氏の車に釘付けになってしまう程だ。
氏の車は再びなのはカラーに変わっていた。今度はエクセリオン仕様なのだそうだ。
不心得な車に対してディバインバスター・エクステンションを放つことができるらしい。
「ココロあそこがいいです!」
と指さしたのは黄色いM字の看板がくるくると回っているファーストフード店だった。
「ココロたんは何が食べたい?」
「大道寺さんと同じのがいいです。あと、メロンソーダが飲みたいです!!」
「ご注文は1セットでよろしいですか?」
とマイクから店員さんの声が尋ねた。
「2セットずつ下さい」
「メロンソーダはLサイズを5つ下さい!!」
ココロたんは氏の膝の上に覆いかぶさるように身を乗り出し、マイクに向かって叫んだ。
姿は見えないのにココロたんの心の叫びは聞こえたらしい。
「5つですか?」
と店員さんの声が繰り返した。
「はい、じゃあ5つ下さい」
注文した商品を手渡してくれる店員のお姉さんは声も出ないほどに驚いた表情をしていた。
一人で食すには少しばかり注文数が多いというところにも少しくらい疑問を抱いていたことだろう。
特にメロンソーダの消費量が。
しかしそれ以上に初めて見る極めて特異な車に驚いていたようだ。
もっとも、氏がこの町に住み続けるうちに見慣れたものとなることだろう。

続く

テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

これは所謂二次創作ってやつさ
今回のお話は、
ブログ妖精ココロたんの二次創作。
私がしばらく前から気に入って使っている、
ブログパーツのココロたん。
詳しく知りたい人は、公式サイトを見てね。
ちなみに、登場人物には、
私が他に書いているオリジナルのお話の
キャラクターも出てくるんだよ。
だからそっちのお話も見てもらえると嬉しい。
まぁ、とりあえず、
何かの役に立つようなものではないと思うけれど…。


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人工萌妖精ココロ

「怪しい影が迫っているぞ!払ってやるから寄っていけ!
…おい、そこの若いの!お前の事だ!!このまま放っておくと死ぬぞ~!!」
早速わけのわからない輩に声をかけられるとは変なところに来てしまったものだ。
それは大道寺氏が引っ越してきた日の夜に町を散策していたときの出来事だった。
大道寺氏がこれから初めての一人暮しをする町だ。
悪いことというものは続くらしい。
氏が携帯ストラップを指にかけてくるくると回していたら飛んでいってしまった。
橋の下めがけて勢い良く。
幸いにしてポチャンという絶望的な音は聞こえなかった。
欄干から身を乗り出して覗き込んで見ると干上がった川岸のくさむらに落ちたらしいことがわかった。
しかし慌てて広いに行ってもすぐには見付からなかった。
百メートル程の幅がある川のうちほんの数メートルくらいにしか水は流れていない。
残る数十メートルは膝くらいまで伸びた草が大いしげっている。
この中のどこかに落ちたんだろう。けれども夜の暗闇の中から見つけるのは絶望的だ。
灯りといえば橋の上をときどき通る車のヘッドライトくらいのものだ。
氏はあきらめて堤防の斜面に腰を降ろした。
着信でもあれば派手なイルミネーションとメロディでその居場所を教えてくれるだろうと期待して。

「あの……助けてもらえませんか?」
背後から幼い声がした。
振り向くとまるでどこかのコスプレ会場から出てきたような、異様な服装をした少女が立っていた。
レースクイーンのように肩と足を必要以上に露出している。
上半身のボディラインがわかるほど体にフィットしたスーツと、
パンツが見えそうなほど膨らんだスカートだ。仮に履いていたとすればの話だが。
必要以上に大きな帽子まで全てオレンジ色に青いストライプの入った目立つ色をしている。
年の頃は10代になりたてといったところだろうか。
そんな子がこんな時間に人気のない川辺を歩いていたら、
危険な事の一つや二つ襲ってきても不思議はない。
しかし、困っている少女に手を差し伸べるのが大人というものだ。そうだろう?
「どうしたの?」
「お家に帰れなくなってしまったんです…」
「迷子??家どこ?…って聞いても僕もこの辺の地理は良く知らないけれど…」
「ブログ妖精界です…」
一瞬、氏は我が耳を疑った。
「…どこだって?」
「ブログ妖精界です!」
「そっか~、遠くから来たんだね~…」
などと言ってはみたものの、氏は困ってしまった。
せっかく絵に描いたような可愛い少女が助けを求めているのだから助けてあげたいところなのだが、
妖精界とかいうファンタチックなところに足を踏み入れることが許される年齢ではない。
だからと言って、このままこの少女を見捨てることなど氏にできるはずもなかった。
「それってどの辺にあるのかな?って言うか、そこからどうやってきたの?」
「わかりません…。むーちゃんとどっちが速く走れるかって競争してただけなんです。
ココロが1Tbpsくらいで走ってたら何かにつまずいちゃって…。
こけて起き上がったらあそこにいたんです…」
そう言ってココロたんはくさむらを指さした。
氏はますます困った。
電車できたとか、車できたとか、そういう答えを期待していたはずなのだが…。
さらに困ったことに、ココロたんは真剣で今にも涙が溢れ出しそうな瞳で氏を見つめている。
「よし…、じゃあ警察に行こう」
氏は自力で解決することをあきらめた。
「えっ!?…ココロ何も悪いことしてないですよ…」
ココロたんは不安そうに言った。
「大丈夫だよ、お巡りさんも小さな女の子には優しいからね。
大丈夫!なんとかなるよ。絶対に大丈夫だよ!
大きな力で助けてくれるよ!そのために税金払ってるんだからね?」
そして氏は立ち上がった。
「あっ、携帯探すんだった…」
「携帯なくしたんですか?よければココロが鳴らしますよ?」
「そうしてくれる?と言っても電話番号は覚えてないんだけど…
メールアドレスでもいいかな?」
「はい。ではどうぞ!」
「全世界ネコミミメイド化計画@ドコモのなんとかかんとか…」
なかなかに珍しいメールアドレスを聞いても、
ココロたんは驚きもせずに携帯をぽちぽちと操作した。
ほどなくミクの歌声が静かな川辺に響いた。
そして光輝く氏の携帯は無事発見された。

「ココロ子供じゃありませんっ!」
氏が子供扱いをしたからご機嫌を損ねたのだろう。
「ココロたんは何歳?」
「1万11才です」
「それは…ブログ妖精歴で数えるのかな?」
「はい。でも西暦で数えてもきっとあなたよりも年上ですよ」
仮にその話を信じるとするならば、ブログ妖精というのは人間よりも発育に時間がかかるのだろうか。
一説に依るとブログ妖精の1万11才は人間の11才に相当するらしい。
もっとも、仮説であるから信じる信じないは自由だ。
そんな話をしながら氏とココロたんは真っ暗な堤防沿いの道を歩いていた。
そこにタイミング良くパトカーが通りかかった。
親切にも氏が呼び止めようとするよりも先に止まってくれた。
それは氏がお巡りさんを引き止めるようなオーラを放っていたからかもしれない。
「こんなところで何してるの?」
そう言いながら二人のお巡りさんが降りてきた。
「この子が迷子になったみたいだから警察に届けようと思っていたんだけど」
「この子?どの子?兄ちゃん一人だろ?」
「一人??僕の隣に女の子がいるでしょ?」
「隣!?」
お巡りさんは二人揃って氏の左右を持っていた懐中電灯で照らして姿を探してみたようだ。
「誰もいないじゃないか。兄ちゃん飲みすぎたんじゃないのか?送ってやるから乗りなさい」
二人の警察官はよくいる酔っ払いとして処理する気のようだ。
変質者に拐かされそうになっている少女の存在を、
見て見ぬふりをしようなどと企んでいるようには思えなかった。
氏はさらに困惑した。
隣を見れば氏の胸くらいの高さの少女が確かに不安げな表情を浮かべて立っているのだが。
氏はパトカーの後部座席に乗せられた。
「ちょっと待って!」
外から警察官がドアを閉めようとするのを氏は制止した。
「もう一人いるから!」
「はいはい」
警察官は呆れた様子ながらもドアを大きく開いてくれた。
その隙にココロたんは氏の隣に乗り込んだ。
「兄ちゃん、もういいか?閉めるぞ」
この警官には本当に姿が見えていないのだろうか。
結局最後まで氏はただの酔っ払いとして扱われた。
氏がマンションのドアロックを開錠したところを見届けると警察官は帰っていった。
氏とココロたんは顔を見合わせ、困惑するしかなかった。

続く

テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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